ゾウの農園から届いたジューシーなコーヒー。
ゾウの住むガジャ農園

ガジャは、インドネシア語で「ゾウ」を意味する言葉で、ガヨ・アチェ語ではウネンと呼ばれています。
100haもの広大な農園内では、オランウータンやサイ、スマトラトラなども生息しており、
豊かな自然の中でコーヒーが育てられています。ゾウというと人が乗っているのを連想できる温厚そうなイメージですが、
実際は獰猛な動物であり人の手ではどうすることもできないため、まるで天災のように過ぎ去るのをただ待つようです。
毎年、トラによる事故よりもゾウによる事故の方が多いことからも見て取れますね。ゾウに踏みつぶされることなく、
多くの野生動物と共存しながら育つコーヒーはたくましく、味わいからもその力強さを感じることができます。
この農園で植えている品種は、アテンとアユンダ。アテンは「THE・インドネシア品種」ともいえる、
インドネシアでは代表的な品種です。コンパクトで収量も多く、その育てやすさが売りです。
アユンダは、アテンとティムティムの交配種。東ティモールで発見されたハイブリッド品種で
さび病耐性があるティムティムがかけ合わさることで、収量の多さと病気への耐性を兼ね備えた品種になっています。
アチェのテロワール

スマトラ島の北端に位置するアチェは、険しい山岳エリアに位置し高低差が大きい活火山が息づく熱帯雨林気候です。
スマトラ島では、大規模な自然林の伐採が進んでいます。それは、紙の原料になるアカシアやユーカリ、
パーム油の原料になるアブラヤシ農園を作っているためです。
もともと生息していたスマトラトラ・ゾウ・サイ・オランウータンなどの野生動物の棲む場所や
生態系が失われ絶滅危惧種になっています。
その中でもアチェは昔からの原生林が未だ多く残っているエリアです。
ミネラルをたっぷりと含む火山灰性土壌と傾斜がしっかりあることによる水はけのよい地で栽培されるこのコーヒーは、
明瞭でジューシーな酸質が特徴的で、スマトラ式らしいどっしりと伸びやかなボディ感とのバランスが心地よいです。
その特徴の違いからも、アチェのマンデリンが好きな方と、トバコ周辺のマンデリンが好きな方がはっきりと分かれるほどです。
日本市場のニーズと産地をつなぐロイヤルパシフィック

2009年にロイヤルパシフィック・グループが設立されました。アメリカのカリフォルニアに事務所とカッピングラボがあり、
アメリカのコーヒー文化がベースにあるため、消費国での使われ方や必要な品質の部分をよく知っているサプライヤーです。
インドネシアではスマトラ島のメダンとジャワ島の東ジャワ、バリ島にドライミルを所有し、ジャカルタには焙煎設備も持っています。
国内外の広い需要に応えることのできる知見と設備を所有している彼らは、
アチェで大きな自社農園を所有して自らコーヒー栽培をするほどです。栽培から最終消費まで一貫した品質管理体制は
しっかりと整っており、日本市場で必要な品質や味わいの部分も細かく理解して今回のロットを作り上げてくれています。
大自然から届いたインドネシア、アチェの香り。
一度試してみませんか?